リフォームとアイランドキッチン

先日、学生時代の友人からリフォームの相談がありました。
築12年の3LDK分譲マンションです。
「これはこうして、あれはああして…」と事細かな説明があって、最後に「キッチンはできればアイランド型にしたいんだよね(ウキウキ)」。と。

それからまもなく実際のお部屋を見に行きました。LDKは16畳ちょっと。そしてキッチンは壁付のI型キッチンでした。
「いやー、さすがにアイランドキッチンは厳しいよ」開口一番、私のセリフでいくつか理由があります。
まず、スペースの問題。
アイランドキッチンはとにかく大きなスペースを取ります。名前の通りアイランド=島ですから、四方に人が通れる動線が作られることになります。そしてその他に食器棚等収納スペースを確保するわけで、キッチン周りはざっくり8畳位は必要です。そうなると、ここでのリビングは約8畳にっなってしまい、16畳あるLDKもキッチンに圧倒されて、なんかせせこましい空間になってしまうことが容易に想像できます。

それと、根本的な配管などの設備の見直しです。例えば単純にキッチンを交換する場合、私達はまず既存のキッチンと同等サイズのキッチンを考えます。

それは、床や壁をそのまま手を加えずに交換できるからです。それがコストを抑えることにつながります。しかしアイランドキッチンの場合は、シンクの排水口は、当然部屋の壁際ではなく中央寄りになくてはなりませんから、配管を敷き直しすることになります。となれば既存床を解体し、床を新たに作り直すことに。また換気扇の位置も同様に部屋の中央寄りに来るのですから排気ダクトも工事が必要です。
これだけでも費用は相当にかかります。

配管設備が大変です

そして、配管、排気の位置を変えることは、柱や梁、壁等部屋の構造体に干渉しないように設計しなければならないわけで、根本的に難しい場合が多いです。
今回の友人宅は、LDKの中央寄りの天井には、梁が大きく下がってきており、換気扇をその位置に設計することはできませんでした。

このように、リフォームでアイランドキッチンに交換するには、TV番組にあるあの“劇的ビフォーアフター”のように、柱・梁の重要構造体を付け替えるほど大改造の必要があると考えなくてはなりません。

友人は相当残念な様子でしたが、諦めも早く、
「今度は最初からアイランドキッチンが付帯されてる物件を買おう!」と息巻いていました。

友人の言う通り、やはり予めアイランドキッチンが装備されている物件を購入する方が賢明です。
お部屋全体を解体して、全てを一から作り直すリノベーションはともかく、アイランドキッチンはごくごく普通なリフォームには向いていない商品なのかもしれません。

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